【摂食障害】ストレスを緩和する「感情のラベリング」とは
(執筆:YOKO .N 監修:SINBI代表カウンセラー 福山 裕康)
過食や拒食をしてしまう人の多くが、自分の感情に「蓋」をしている人が多いのをご存じでしょうか?
自分の感情を押し殺して、嫌なことも「いや」と言えずじっと耐え、他人に刺激をあたえないような行動をとることは、積もり重なってかなりのストレスになります。
それで、溜まったストレスを紛らわすかのように過食をしたり、または拒食に陥ってしまう場合もあるのです。
しかし、ストレスが溜まらないうちに、適度に「空気抜き」することで、症状を和らげ、ストレス耐性をつけることもできます。
今回は、そんなストレスの「空気抜き」の一つ、自分が感じている心の状態を言語化することでストレスを緩和できる「感情のラベリング」についてご紹介します。
こちらの記事も参考に>>【摂食障害】人目を気にする人は過食になりやすい?原因と対処法
感情を言い表すことでストレスが軽減するわけ
摂食障害になっている方は、自分の感じていることを素直にあらわすのが苦手です。
相手に何か嫌なことを言われても
「言い返して嫌われたらどうしよう」
「わがままだと思われたらどうしよう」
なんて自分の気持ちを押し込んで、言い返すことなく、モヤモヤや苦しい想いを抱える人も多いのではないでしょうか。
しかし、そういう「感情」を言葉にすることで、気持ちが落ち着き、ストレスを溜め込まなくなるのです。それは、
・脳の扁桃体の活性を抑えるから
・感情をコントロールすることができるから
などの理由があります。それぞれを説明していきましょう。
①脳の「扁桃体」の活性を抑えるから
感情を言語化することで、脳の不安や恐怖を感じる「扁桃体」の活性が抑えられます。
カリフォルニア大学の心理学者が次のような実験を行いました。
【不安や恐怖の言語化が与える影響についての実験】
まず、「蜘蛛恐怖症」である被験者にガラス容器に入った蜘蛛を見てもらい、その距離を徐々に縮めて恐怖心を克服する「疑似体験治療」を行います。 実験中に被験者を次の3つのグループに分け、ラベリングの効果を調べました。
3のグループは「蜘蛛が噛み付かないか心配」「蜘蛛の身体の毛が気持ち悪い」など、感じたことを具体的に言語化するように指示されました。 その結果、3のグループは不安が軽減したり、ストレスが緩和したりする効果がありました。 1や2のグループは、かえって恐怖や不安が悪化する結果となりました。 |
つまり、自分の感情を無視して安心しようとしたり、気を紛らわそうとしたりするよりは、素直に言語化する方が不安がなくなり、ストレスの軽減となることが明らかになったのです。
この実験を行った心理学者によると、感情を言語化することで、脳の「不安・恐怖」を感じる部位である「扁桃体」の活性が抑えられるのだそうです。
自分の感情から目をそらさずに言語化することで、不安や恐怖を克服することさえ可能になるのです。
②感情のコントロールができるようになるから
言語化することでストレスが緩和するもう一つの理由は、自分の本当の気持ちに気づけるからです。
常に人の言葉や感情を気にしている人は、自分の本当の気持ちに鈍感になっています。
嫌なことを言われても言い返さなかったり、やりたくもないことを進んで行ったりしているうちに、自分自身どれほど傷ついていることがわからなくなるのです。
でも、本当は心の奥底ではいっぱい傷つき、大きなストレスを抱えています。やがて本来の自分と表の自分がかけ離れてしまい、それが爆発しそうになって過食がとまらなくなってしまいます。
つまり、感情のコントロールができなくなるのです。
しかし、感情を言葉にすることで、本当の気持ちがわかるようになります。自分や相手を客観的にみることができるので、感情をコントロールすることができ、ストレス耐性もつくでしょう。
ではそんなラベリングの方法について解説していきましょう。
ラベリングの方法
ラベリングは「感情を言語化すればいい」とはいえ、今まで感情を押し殺してきた方にとっては簡単ではないでしょう。
そこで、簡単に行える方法をご紹介します。
人に対してのラベリング
これは、常にストレスや恐怖を感じている特定の人に対して有効です。
①簡単に言い表せる言葉を用意しておく
まずは、自分の感情を表せる言葉(単語)を準備しておきましょう。
たとえば、「上司が怖い」と思うなら
「言い方が怖い」「表情が怖い」「雰囲気が怖い」「声の大きさが怖い」 |
など、具体的な怖さを考えておくのです。
「不安」を感じる人に対しても、
「目線がきつい」「言い方がきつい」「命令口調」 |
など、あらかじめ用意しておきましょう。
この時点でも客観視でき、自分の不安や恐怖の本当の原因を見つけることができるでしょう。
②実際に不安や恐怖を感じたら、言葉を当てはめてみる
実際に「上司が怖い」と感じたら、
「ああ、私はこの人の声の大きさが怖いんだな」とか、
「言い方が怖いんだな」と言葉を当てはめてみましょう。
これで、恐怖を冷静に分析できるようになります。
もちろん、上司に直接いう必要はなく、自分の中で言語化すればいいでしょう。
不安を感じる人にも、「ああ、目線が強いんだなあ」と言語化すればいいのです。
こうやって、自分の感情を選んだり、客観視することでストレスを軽減することができます。
日常のストレスに対して
よくわからないけど不安や恐怖、モヤモヤを感じた時は、その感情を言葉にしてみます。
最初は「なんか嫌だ」とか「わからないけど怖い」など、うまく言い表すことができないかもしれませんが、続けていくうちに言語化できるようになります。
心理学者のビスワス=ディーナー・ロバートは、「暴力を振るう人ほど自分の感情を表す語彙力が少ない」と述べています。
暴力は怒りの感情が制御できていない状態なので、自分の言葉を表すことは、感情のコントロールができるということになります。
優しい人は、人に対する暴力ではなく、過食などに走るようになるので、感情のコントロールができれば、おのずと過食も止まるようになるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
過食をする人の多くが優しい人です。
怒りや不安を感じても、自分の感情を押し殺し、他人を優先してしまい、ストレスがどんどん蓄積されてしまいます。
しかし、自分の感情を言語化することで、ストレスを適度に空気抜きすることができます。
やがて、感情のコントロールができるようになるので、ストレスに強くなるでしょう。
参考にしていただけましたら幸いです。
こちらの記事も参考に>>ネガティブ思考に陥った時にやる気を出す方法【過食・拒食】
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