”心の声”のフェルトセンスって何? (対人関係療法などのカウンセリング)
さて、フォーカシングは、一言でいえば”心の声を身体に聞く”
ということでしたが、もう少し具体的にしていきたいと思います。
そこでキーワードになってくるのが、
”フェルトセンス”
という言葉です。
それでは、フェルトセンスとは何でしょう?
例えば、
「今日は気がのらない」「言葉に胸がつまる」など、感情とも気持ちとも身体状態
とも言い難いような『感じ』って、誰の中にもあるかと思います。
その『感じ』をフォーカシング用語ではフェルトセンスと言っています。
Feel-Felt- Feltのフェルト、です。
受身型で表現されるように、
身体を通して伝えられてくる、“感じられてしまう”ものがフェルトセンスです。
『胸がしめつけられるような』とか『胃がキリキリするような…』など、身体の感覚
として表現されることが多いようです。
否定的な感じのものばかりではありません。食事をする時に、
「今日はなんとなく、さっぱりしたものを食べたいな~」
と感じるのもフェルトセンスのひとつです。
『セミナー会場などで座る場所を決める時』も、、なんとなく、この辺の席が
いいかな~、「うん、ここにしよう」と決めるときなんかも・・・、きっとあると思います。
最初に感じられるものが否定的なものでも肯定的なものでも、フォーカシングでは
その『感じ』の言い分を充分に聞いて、ごく親しい友人のように寄り添ってみます。
すると自分のまるごと全体が深く納得し安心できるような、前向きで受け入れやすい
変化が内面に起こることがよくあります。
それはちょうど、
頭で論理的に考えて、”こうすべきだ”、と決める時
のような不安定な気持ちとは正反対にある
”ここちよさ”
だと言えるかもしれません。