過食嘔吐や過食や拒食の摂食障害を克服していくための基本をまず初めに。
◆過食嘔吐や拒食症・過食症の摂食障害とは、何なのでしょうか?
摂食障害は、極端な食事制限や、過度な量の食事の摂取、嘔吐などによる排出によって、
健康に様々な問題が引き起こされるもので、拒食症と過食症を総称したものです。
人間関係の問題による心理的なストレスや不適応、コミュ ニケーションの不全などが原因
とされていると考えられています。さらには、過去の心の傷や自分自身の捉え方や考え方
も大きく影響しています。
摂食障害は、ほとんどが女性に起きる病気です。
その摂食障害の背景には、女性はやせているほうが美しいという
社会的な価値観が根強くあります。
摂食障害には、大量に食べて吐いてしまうという、過食排出型と言われているものがあり、
一般的には「食べたい病気」だと思われていますが、実は「痩せたい病気」なのです。
痩せようとするダイエットの反動として過食が起こっているのです。
また、「ダイエットの反動としての過食」とは別に、「ストレス解消としての過食」もあります。
これは、普通の人のストレス解消のためにする「やけ食い」のようなもので、一般的には
ストレス過食と言われていますが、このような過食が継続的に繰り返される場合には、
過食性障害という病名で診断されます。
一方、一般的に言われている拒食症には、「過食を伴う拒食症」と「過食を伴わない
拒食症」の2つに分けて考えられます。「過食を伴う拒食症」は一般に治るのに時間を
要します。過食と拒食が入り混じった複雑な状況にあることがひとつの要因になって
います。
「過食を伴わない拒食症」の人には、「過食を伴う拒食症」の人とは違った「痩せたい
気持ち」があります。
「過食を伴う拒食症」の人は「痩せることは、美しくなること」に直接的に結びついて
いるのですが、「過食を伴わない拒食症」の人は、痩せてきれいになりたいという
願望よりも、「太るのが怖い」という「恐怖」に支配されています。
※DSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き)では、過食を伴わない拒食症は、
神経性無食欲症、過食を伴う拒食症は神経性大食症という診断名になります。
◆過食嘔吐などの摂食障害で多くの人が苦しんでいるのです
さて、そのような摂食障害なのですが、一般的には、あまり身近に感じている人は
少ないのではないか思います。
でも、実際は思いのほか、実に多くの人が過食症や拒食症などの摂食障害で苦し
んでいるのです。(思春期~青年期女性の5~7%とも推定されている)
あなたは、周りにはいないと思っているかもしれませんが、実はすぐ近くにいる
のかもしれないのです。
というのは、
多くは人知れず一人で苦しんでいるとうのが、摂食障害の実態だからです。
それはなぜか?
というとそれは、
“人には言えない”
という性質が摂食障害にはあるからです。
なぜ言えないのか?
というのは、
“人に言えない、人に頼れない性格”
の人が多いということもあるのですが、
いちばん大きな理由は、たとえ言っても、
“理解してもらえない”
“奇異な目で見られるのではないか?”
“自分はダメ人間なのではないか!!”
といった思い込みがあり、
摂食障害であるということを言うことによって、
“人に迷惑をかける”
“嫌われてしまう”
“人が離れていってしまう”
のではないだろうかという、怖れを抱えているからなのです。
また、その裏には食べ物を無駄にしている(過食嘔吐の場合)、
“ダメな私”という“罪悪感”も潜んでいるのです。
◆摂食障害を抱えて一人で苦しまないでください
“食べ物を無駄にしている”
“止めることができない”
“普通の健康体に戻りたいのにできない”
“異常なほどに低体重にこだわってしまう”
“自分で決めたルールは絶対に破れない”
“怖くて食べられない!!”
といったように、
“頭で理解していることと、実際にやっていることが全然違う”
“理性で自分をコントロールできないダメな自分”
といったように考え始めてしまうと、どうにか自分で食行動を無理やり
コントロールしようとし始めます。
でも、無理に食行動を自分でコントロールしようとすればするほど悪循環の深みに
はまっていってしまいます。
“思うようにいかない!”
“ダメな自分”
“情けない”
“自己嫌悪”
“罪悪感”
そう思えば思うほど心のバランスは崩れていって摂食障害はますます悪くなっていきます。
負のスパイラルへとはまり、かえって摂食障害は悪い方悪い方へといってしまうのです。
ここから抜け出すためには、まずは正しい認識が必要です。
摂食障害は、けっして行き過ぎたダイエットや「わがまま病」ではありません。
病気なのです。
それは、心のバランスの崩れによって生じてくる典型的な「心の病」なのです。
病気なのだから、専門的に治さなければいけないのです。
異常な食行動は、
“病気の症状”
なのです。
それは、風邪をひいたときの咳や熱と同じものなのです。
だから、自分の意思ではコントロールできないのです。
だから、
「自分を責めないでください」
あなたは、悪くないのです。
あなたは、ダメ人間ではないのです。
そのような病気になってしまうあなたは、真面目で心優しい人だという証なのです。
だから、早く本来の自分を取り戻してください。
そのためには、一人で悩まないでください。まずは身近な信頼できる人に相談して
ください。そして、専門家に相談してください。病気なのだから専門的に治していく
必要があるのです。
◆過食嘔吐や拒食症・過食症の摂食障害は必ずよくなります
摂食障害は必ずよくなります。数々の実績データがそれを証明しています。
摂食障害は一生ものなどとは思わないでください。ただ、完璧に治そうとは思わない
でください。そうすれば、必ずいい方向へと向かっていきます。
あなたの人生はあなたがコントロールしていくのです。病気に振り回されない
あなたらしい自信に溢れた人生をつくっていきましょう。
まず大事なのはしっかりと病気と自分自身を理解することです。自分自身の性格傾向
や置かれている状況、そして自分はどうしていきたいのかを冷静に考えていきましょう。
そして、改善を図っていく上で、まず大切にしていただきたいのは、自分の気持ちです。
自分の気持ちは何によって揺り動かされているのか?
改善を図っていく上では、自分の気持ちの動きを知り、それは何によって変化し、
どうしていけばその心の動揺が少なくなっていくのかということを理解していくことが大切です。
それは、身近な人との対人関係ストレスかもしれませんし、環境の変化による影響
なのかもしれません。そしてそれは、過去の心の傷が影響しているのかもしれません。
それをしっかりと理解し自分のコントロール下におくことができるようになっていけば、
自然と摂食障害は治癒へと向かっていくのです。
ただ、自分に対人関係ストレスがあることに気づいていない人も多くいます。
まず、自分自身を振り返ってみてください。
何が摂食障害のエネルギーになっているのか?
そこが摂食障害克服の大きなポイントとなっていくところなのです。
◆摂食障害は身体と心の両面から捉えていく
摂食障害は、心の病気なのですが、身体面もちゃんと見ていく必要があります。
低体重の問題もそうなのですが、身体のメカニズムもちゃんと理解していくことが大切です。
多くの摂食障害がダイエットをきっかけに始まっています。
それは、極端なダイエットをすれば身体のメカニズムとして、飢餓状態から正常な状態
へ戻ろうとするので、過食というリバウンドが必ず発生するということです。
ほとんどのダイエットにはリバウンドがつきものです。ダイエットしても結
局は元に戻る、あるいは元の体重より増えてしまうという経験をしている人は
数多くいるかと思います。
ここで注意してもらいたいのが、
“自分は普通に食べている”
といった思い違いの感覚です。
摂食障害の人は、標準の半分ぐらいでも多いといった
感覚を持っている場合が普通です。
普通に食べているといっている普通が標準の半分以下しか食べていないという
ことがよく起きてしまいます。
つまりそこで何が起こるかというと、普通に食べているつもりが、知らず知らずのうちに
リバウンドの過食を呼んでいるということなのです。
だから、自分の普通を客観的に再検討してみて、本当に普通なのかどうかという
ことは見直さなくてはいけません。
そうでないといつまでもリバウンド過食を繰り返してしまうのですから・・・
そして、
そのリバウンドを繰り返してしまう現象の奥底には、
“何らかの怖れ”
を抱えているものです。
この無意識に自分を突き動かして怖れに気づいていくことがとても大切です。
この怖れに気づき、怖れを手放し、
ハートを開いていくことが摂食障害の克服につながっていくのです。
これから、ハートを開くためのレッスンを始めていきます。
このコラムでは、摂食障害克服のための基礎知識と実践方法を紹介していきます。
そこで大切なのは、
“知識よりも自分への気づき”
です。
あまりあわてずに、ゆっくりと自分自身を振り返っていって頂けるとよろしいかと思います。
それでは、
これからレッスンのスタートです。
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