過食を止めるために対人関係療法が効果的な理由～摂食障害カウンセリングSINBIブログ

過食を止めるために対人関係療法が効果的な理由

過食は多くの人々にとって深刻な問題となり得ます。特に、ストレスや感情の乱れが過食の引き金となる場合、食べ過ぎが健康だけでなく、精神的な安定にも影響を与えます。このような状況で注目されているのが「対人関係療法（Interpersonal Therapy: IPT）」です。対人関係療法は、過食の背景にある人間関係や心理的な要因を改善することを目指した治療法で、多くの研究でその有効性が示されています。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（執筆：SINBI代表カウンセラー　福山　裕康）

対人関係療法とは

対人関係療法は、1970年代にうつ病の治療法として開発された心理療法です。この療法は、人間関係の質やコミュニケーションの改善を通じて、心理的な問題を解消することを目的としています。過食に対するアプローチとして用いられる場合、以下の4つのテーマに焦点を当てることが一般的です。

役割の変化：例えば、家庭内の役割や職場での責任が変化したことでストレスが増大し、過食が始まることがあります。
対人関係の葛藤：友人、家族、またはパートナーとの摩擦や衝突が、感情の調節のために食べる行動を誘発することがあります。
未解決の悲嘆：愛する人や大切なものを失った喪失感が、過食の原因となる場合があります。
対人スキルの欠如：効果的なコミュニケーションやストレス管理のスキルが不足していると、人間関係が悪化し、感情的な食事行動に繋がることがあります。

過食に対する効果

対人関係療法が過食に効果的である理由は、過食行動の背景にある感情的な要因を直接的に扱う点にあります。例えば、以下のような効果が期待できます。

ストレスの軽減：ストレスや感情の乱れが過食の引き金となる場合、対人関係療法によってそれらの原因を解消することで、食事行動が改善します。
人間関係の改善：人間関係の摩擦が減少することで、感情の安定が得られ、過食の頻度が低下します。
自己理解の促進：自分の感情や行動パターンを深く理解することで、過食に頼らないストレス対処法を学ぶことができます。

実際の治療プロセス

対人関係療法は、通常12–16週間の短期療法として提供されます。セッションでは、セラピストとクライアントが共同で目標を設定し、人間関係の問題点や感情のトリガーを特定していきます。具体的なセッション内容としては、以下のようなものが含まれます。

問題を明確化し、それに対処するための計画を立てる。
新しいコミュニケーションスキルを学ぶ。
感情と行動の関連性を探り、代替行動を見つける。

まとめ

過食は単なる食行動の問題ではなく、その背景には深い感情的な要因や人間関係の問題が潜んでいることが多いです。対人関係療法は、これらの根本原因に働きかけることで、過食の改善に役立つ効果的なアプローチです。もし過食に悩んでいるのであれば、専門家と相談し、この療法を取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか。

また、

対人関係療法を実践していく上で、本来の自分の性格と生まれた後に

獲得してきた性格や対人関係を明確にしておくことはとても大切です。

宿命と運命を占いではなく心理学と脳科学で明らかにしていきます。

エニアグラムとＥＱ（心の知能指数）で診断（数値化）していきます。