【過食】摂食障害とアダルトチルドレンの密接な関係って?
近年、有名な女優さんなどが告白したり、雑誌などでも取り上げられるようになったことから「アダルトチルドレン」という言葉はおなじみになっていますよね。でも、アダルトチルドレンといっても何となく「心が子供のままで、大人になり切れていない大人」など、ざっくりとした認識しかないのではないでしょうか?
実は、アダルトチルドレンと摂食障害には深い関係があります。摂食障害になる人の多くが、アダルトチルドレンである可能性が高いといわれているからです。
正しく「アダルトチルドレン」を理解することで、過去の心の痛みを癒し、さらに過食などの症状も軽減する可能性は大きくなるでしょう。
もしかしたら、自分の過食はアダルトチルドレンが原因かも!?と思っている人はぜひ参考にしてくださいね。
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そもそもアダルトチルドレンとは何
アダルトチルドレン(AC)は、1970年にアメリカのケースワーカーの間で使われるようになった言葉です。元々はアルコール依存症の親の元で育てられた子供を指していましたが、そのうちアルコール以外の機能性不全家族で育てられ、生きづらさを抱えた人の総称となりました。
特に医療用語や病名では無いものの、子供のころの体験が深いトラウマを持ち、大人になっても生き方に影響を持っているような人や現象の総称として使われています。
機能性不全家族とは、親がアルコールや薬などの依存で子供を育てられない家族だけではなく、家族からの虐待や不仲、環境や経済的な理由で家族として機能していない状況をもさします。
このような親や環境で育った子供の多くは、保護するべき大人からの関心が向けられないため、自尊心が低くなる傾向にあります。親や保護者に関心を持ってもらうために、その人にとって必要以上に便利な人間であろうとしたり、反対に他人を抑圧して自身を持つような傾向もあるのです。
日本でのアダルトチルドレンは少し違う
とはいえ、日本でのアダルトチルドレンの解釈は少し違います。
日本にはアメリカほど「分かりやすい機能性不全家族」は少ないといわれています。どちらかというと両親(家族)からの言葉や行動からの精神的トラウマや、我がままを言ない良い子であることへの期待などから、プレッシャーに耐え切れず心が常に不安であったり、生きにくさを感じてしまったり、さらには心的外傷ストレス性障害(PTSD)に悩まされるようになる人のことを差すことが多いようです。
子供のころの体験は、心の成長に大きく影響され、ネガティブな思い込みや考え方の歪みにもつながってしまいます。社会や仕事への対応が難しくなったり、人間関係を築くことが苦手となってしまうのです。
もし、あなたが「もしかしたらアダルトチルドレンかもしれない」と思うなら、次の項目をチェックしてみてください。10個以上当てはまると可能性が高いといえるでしょう。
□ ものごとを最後までやり遂げることがむずかしい □ 自分に自信がない。自分はダメだと思う。 □ 自分に対して過酷な批判をする □ 自分は生きている価値がないと思う □ 人生を楽しむことが下手である □ 他人と親密な人間関係を持てない □ 白黒をはっきりさせすぎ、ほどほどにバランスをとることができない □ 何かあると反射的に反応する、またはなんの反応もしない □ 必要のないときにいつも嘘をついたり、ごまかしたりする □ 必要以上に相手に忠実である □ 何が正常で何が異常かわからない □ 他人からのほめ言葉を受け入れにくい □ 他人から助けを得るのが下手である □ 自分は他人と違っていて居場所がなく、孤独に感じる □ 自分でコントロールできない状態が起きるとパニックを起こす □ 他人から認められたいという気持ちが強い □ 理由もないのによく頭痛や腹痛などがあり、からだの調子が悪い □ 摂食障害を起こしている(拒食症、過食症、過食嘔吐など) □ アルコールや薬物(医師からの処方薬剤も含む)の依存症になっている □ 非行に走ったり、自暴自棄になって暴れる □ お茶目で他人の気をそらす □ 目立たないようにスーッと消える □ きまじめで他人の言うとおりにする □ いつもせかせかと衝動的に行動する □ 何か起こるのではないかと常に恐れる □ 他人の目が気になる。被害妄想に陥りやすい □ なにごとも完璧でないと気がすまない □ 顔やからだに表情がない □ 何かが変わることに対する恐れが大きい □ 抑うつ状態に陥る □ 離人感や解離で自分が自分でないような気がしたりする □ 自分の感情が鈍麻していたり、からだから出るメッセージに気がつかない □ 怒りが爆発したり、いつもイライラしている □ 権威のある人の前に出ると過剰に萎縮する □ 記憶力が鈍ったり、または反対にイヤな記憶に悩まされて胸がドキドキしたり、悪夢を見たりする □ コミュニケーションの技術に乏しい □ 自分はいったい誰で、どんな人生の目的を持っているのかなどわからず、自己が確立していない □ 対人恐怖があったり、ひきこもりしている □ 共依存的な行動に出やすい
(出典:西尾和美著 アダルトチルドレンワークブックより) |
これらのチェックに当てはまったとしても、問題や心の傷の大きさは人それぞれです。客観的に見れるだけでも、改善への一歩を踏み出したといえるでしょう。
どうしてアダルトチルドレンは摂食障害と関係あるのか
では、どうしてアダルトチルドレンと過食などの摂食障害には関係が深いといわれるのでしょうか。
いくつか理由があるのですが、ひとつには低い自己評価と高い理想があいまって、痩せ願望や低体重への強いこだわりがある人が多いからです。体重が落ちていく過程は楽しく、自分をコントロール出来ているように感じますが、体重が落ちなくなったとたんに強いストレスを感じてしまい、ついつい過食をしてしまうのです。
また、過食をしていると一時的にでも辛い状況を忘れることができます。食べる行為は一種の「癒し」でもあり、人間の三大欲求でもあり、幸せホルモンの分泌を促進します。特に糖質を摂取することで一時的にではありますが強力な快楽を感じることができるのです。
とはいえ、時間がたつと、食べてしまった後悔や体重が増えることの恐怖から、また過激なダイエットを始めたり、嘔吐を繰り返すことでさらにストレスや嫌悪感を強めて、過食へと戻るという負のループを繰り返し、過食が止められなくなってしまいます。
もちろん、アダルトチルドレンだからと言ってすべての人が接触障害になるわけではありません。
小さいころに受けた怒りや不安、哀しみは、心の底に溜まって負の大きなエネルギーとなりますが、それをぶつけるところが食べ物になると、摂食障害に陥るというわけです。
アダルトチルドレンも摂食障害も必ず良くなる
今回はアダルトチルドレンと摂食障害についてお伝えしました。
過食の原因は1つではなく、多くの人がそうだからと言って、あなたに当てはまるものでもありません。
でも、多くの人が小さいころの傷を抱えこみ、過食に頼るしかない状況に陥っています。アダルトチルドレンも摂食障害も、まずは心を開くことで改善へと進んでいくことができます。親しい人や大切な人に、あなたの想いを打ち明けてみましょう。
身近な人に助けを求めるのが苦手な人は、専門家の力を借りることも考えてみてくださいね。
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