【摂食障害】自己肯定感が上がる「自分の意見」の伝え方
(執筆:YOKO .N 監修:SINBI代表カウンセラー 福山 裕康)
過食症になってしまう人は、優しい人が多く、人に嫌われるような行動をすることが苦手です。
人に迷惑をかけてしまうのがイヤで、自分を犠牲にしたり、やらなくてもいいことを引き受けたりしてしまいます。
そんなあなたを見て、人は
「あなたは自分の意見は無いの?」
「もっと自己主張しなきゃ」
と言うかもしれません。でも、自分でもそう思っていても、自分を変えることはなかなか難しいものです。
しかし、このような「自己肯定感の低さ」は、あなたの性格の問題でも、意識の問題でもありません。
こういう考え方になるような、幼児期の体験や、強いトラウマのせいなのです。
そういった過去の経験を変えることはできません。
しかし、未来を変えることはできます。
このコラムでは、いつも自分を犠牲にしている人が自分の意見をいえるようになり、過食の症状を軽くするための方法をご紹介します。
こちらの記事も参考に>>【摂食障害】他人を信用できないのはインナーチャイルドのせいかも
自分を犠牲にしてしまうわけ
自分のやりたいことを表現できず、ついつい他人の目を気にしてしまう、自分を犠牲にして他人のために尽くすような人は、無意識に「自分よりも他人を大切」にしています。
他人に嫌われるのが「恐怖」だからです。
たとえば、自分の言った一言を
「変に誤解されていないかな」
と思い悩み、ふとした瞬間や寝る寸前に思い出して疲れ切ってしまいます。
相手はまったく気にせず、とっくに忘れていることでも、いつまでも悔やむこともあるでしょう。
これは、小さいときに保護者から愛情を感じられなかった人に多く、
「愛してもらえないのは、自分が悪いから」
と思い込んでいるのです。
保護してもらうべき人からの愛情を得るため、必死に「いい子になろう」「褒められよう」「嫌われたくない」と頑張りすぎてしまい、本来の自分が見えなくなっています。
自己肯定感が低くなり、大きくなっても人生の主人公は「自分」ではなく、「他人」の人生を生きることになってしまうのです。
生活が人の言動や行動に支配されているため、自分の行動を自分でコントロールすることが難しくなります。
他人の言動が怖くなり、ちょっとした頼み事ができず、何でも自分で抱え込んでしまうと、心が疲弊してしまいます。
そのうち、心を満たすように大量の食べ物に依存する「過食」へと陥ってしまうのです。
人と違ってもいいことを受け入れよう
自分を変えたい!と考えているのなら、「人と違ってもいい」ということを受け入れましょう。
過去の経験や保護者を責めても未来は変わりません。保護者には保護者なりのトラウマや事情があり、苦しんでいることもあります。
保護者と心から話し合い、和解し、過去を受け入れることで、トラウマが解消する場合もありますが、それにはカウンセラーなどの専門家のサポートが必要でしょう。
まずは、自分の考え方を変えることから始めることです。
他人の意見と自分の意見が違うことは「当たり前」です。
あなたが自分の意見を言ったからって、あなたを嫌うような人に好かれる必要は無い、ということを受け入れましょう。
そして、
自分の意見を言うことは、相手と敵対する行為ではないことを受け入れましょう。
「私はこう思います。でも、あなたの意見も大切で尊重します」
このような言い方だと、相手から嫌われにくく、自分の意見も言いやすくなります。
人の意見と違っても、また、自分の意見が通らなくても大丈夫。
結果ではなくて、自分の意見が言えたことを自分で褒めてあげましょう。
人と良い「コミュニケーション」をとってみよう
コミュニケーションというと、単なる「会話」だと思っていませんか?
自己肯定感が低い人は、人と本当のコミュニケーションが取れていないことが多いのです。
たとえば、恋人と食事の約束をするとします。
相手「何食べたい?」
自分「なんでもいいよ、あなたの好きなもので」
相手「うーん、じゃあ〇〇でいい?」
自分「はい」
このような会話は、良いコミュニケーションではありません。
一見、相手の好きなものを選ばせているように見えますが、相手に選択を依存しています。
数回程度ならいいのですが、これを繰り返すと相手の負担も大きくなり、面倒だなと思われてしまいます。
他にはこのようなケースもあります。
一緒に住んでいるパートナーが全く家事をしない。自分も働いていていて、家にいる間は掃除や洗濯、ご飯の準備などほとんどの家事をしているが、全く手伝おうとしない。
でも、「ちょっと手伝って」と、どうしても言えずに、目の前でわざと忙しくしたり、ため息をついたりするようになった。
そのうち、感情のコントロールが出来なくなって、相手に強くあたってしまった。
これも、自分の意見を言わずに「わかってもらいたい」という、そもそもコミュニケーションができていない典型的なパターンです。
この2つの例は、人とのコミュニケーションから「逃げて」いる状態です。
「いい人で有りたい」と逃げて(我慢を重ねて)いることで、自分の心が疲弊してしまうのです。
自分の意見を言う自信が無いときは、「提案」をしてみましょう。
相手に「何が食べたい?」と聞かれた場合、とりあえず「提案」をします。
「〇〇が食べたい!」は言えなくても、「軽いものがいい」とか、「ご飯物がいいな」くらいなら提案できますよね。
また、パートナーに手伝ってほしいなら、
「私は色々忙しから、ゴミ出しはあなたの担当にしてくれないかな」
と「提案」してみましょう。
相手が何らかの反論をしても、すぐに引かずに、
「私はこれだけのことをやっていて、とても忙しいし疲れている。あなたが手伝ってくれたら嬉しい」
「じゃあ、お休みの日はあなたが家事をやってくれるとありがたい」
ということを伝えてみます。
それでも手伝ってくれないなら、諦めればいいのです。
自分の意見や気持ちをきちんと伝え、相手の意見を聞く。
これがコミュニケーションです。
本当のコミュニケーションは、相手との関係を深くするのです。
自分の気持を表現できるようになったら、おのずと自己肯定感も上がるようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今まで自分よりも人を尊重してきた人にとって、自分の意見を言うことがとても不安なものです。
しかし、
・自分の意見が人と違ってもいいことを受け入れること
・コミュニケーションに提案を取り入れること
ができるようになると、自分をどんどん表現できるようになります。
自己肯定感が上がり、過食の衝動も抑えられるようになります。
少しずつ、自分を表現できるように練習していきましょう!
こちらの記事も参考に>【摂食障害】過食の原因?メンタルブロックを解除する2つの方法
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