過食衝動を抑える「非暴力コミュニケーション」って何?
過食がやめられない人の多くが、お腹が減いていないのに「どうしても食べたくなる」という衝動と戦っています。
そして、
「なんて私は意思が弱いんだろう」
「私はダメな人間なんだ」
などと、自分を責めてしまいます。
でも、過食がやめられないのは、あなたの意思が弱いからでも、人間性の問題でもありません。
それどころか、色々なことを我慢しすぎて、心が悲鳴を上げているのです。
実は、頭では「これ以上食べるべきではない」と、理解しているのに行動を止められないのは
「自分の本当の欲求が満たされていないから」なのです。
満たされない心を、食べることによって満たしているのですね。
ここでは、あなたの本当の心を満たす方法のひとつ、「非暴力コミュニケーション」についてお話しましょう。
✓ 普段抑え込んでいる「本当のあなた」に耳を傾ける方法が分かります。 ✓ 人との円滑なコミュニケーションのとり方が分かるようになります。 |
これらを実践していくことで、自分を許し、自分に優しくなり、さらに人を思いやる気持ちが引き出されるでしょう
人と円滑なコミュニケーションが取れると、毎日がどんどん楽しくなります。
自分自身を満たすことができるようになるので、過食の衝動も抑えられるでしょう。
こちらも参考に〉〉コミュニケーションの悪循環を解き放つ方法を動画でも紹介しています!
非暴力コミュニケーションとは!?
NVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)とは、1970年代にアメリカの臨床心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士が提唱した、人と人との関係に調和をもたらし、平和を作るプロセスを指します。
「非暴力」というとドキッとする言葉ですが、私達の日常は力の暴力だけではなく、言葉やちょっとした行動で人を傷つける行為がたくさん存在します。
しかしその行為は、本来「相手に何かを伝えたい」だけなのに、「伝え方がわからない」「伝え方が間違っている」から起こるケースが多いのです。
そういった、人を傷つける行為をすることなく相手を思いやることでコミュニケーションを成り立たせようとするのが「非暴力コミュニケーション」なのです。
摂食障害になる人の特徴として、両親との関係が一方通行だったり、社会や友人関係などに緊張や依存の関係が見られることがあります。
そういったケースも「非暴力コミュニケーション」を使えば、関係を改善しお互いを尊重しあえるような、自由な関係を作り上げる事ができるのです。
具体的に次の4つのことを意識してみましょう。
非暴力コミュニケーションの取り組み方
1.相手と自分を観察してみよう
関係をもっと良くしたいと思う相手の状態を、まずは観察してみましょう。
私達は、先入観で相手に「評価」や「レッテル」を貼りがちです。女だから、男だから、先輩だから、部下だから、母親だから、子供だからといって、本人ではなく表面で判断してしまうことが多いのです。
その結果、相手のことを勝手に誤解したり、思い込みで接するので、良い人間関係を築くことができなくなってしまいます。
たとえば、あなたに「自分を理解してくれない父親」がいるとしましょう。
もしかしたら、「何をいってもムダな父親」というレッテルを貼っているかもしれません。
しかし、相手と自分をよく観察してみると、意外なことがわかることもあります。
もしかしたら、父親と接しているとき、必要以上にぶっきらぼうで言葉足らずになっているかもしれません。
父親はその態度に対してどうしていいのか分からずイライラしているのかもしれません。
または、父親の態度が威圧的なだけで、よくよく聞いてみると普通のことを言っているだけなのかもしれません。
父親もコミュニケーションのとり方が分からず困っているのかもしれません。
お互いに歩み寄らないので、誤解が広がっているだけなのかもしれません。
一度あなたの中のレッテルを取り払い、相手のことをもっとよく観察してから、ものを伝えたり行動してみましょう。
まずは想いを、きちんと伝えることを意識します。
何よりも、「あの人は何を言っても無駄だ」みたいな先入観を避けて、物事をはっきりと明確に伝えるようにすると、誤解を交えることなく相手とコミュニケーションを取ることができます。
2.自分の感情に気づいてみよう
小さい頃から自分の感情を抑えていると、本当の気持ちを表すことができなくなります。
本当の気持ちよりも、頭で考えたことを大切にしてしまうのです。
これは、本来の自分を出したら嫌われてしまう、迷惑をかけてしまうという思いや、両親や周りの人に好かれたい、自分の居場所を作りたいという思いから、自分の望むことではなく、人が望むことをするような行動なのです。
たとえば、パートナーが忙しくて全然会えないとき、ついつい「私は大丈夫」などと理解ある人を装ってしまうと、我慢が重ねなり、どんどん心が苦しくなってしまいます。
相手との意思疎通もできなくなって、誤解が生じる可能性もあります。
きちんと「私はさびしいんだ」と感じて、そしてキチンと言葉にすることで、相手もあなたの気持ちが分かるようになります。
「察して欲しい」だけでは、気持ちを通い合わせることはできず、ストレスが貯まるだけです。
3.自分の感情に責任を持ってみよう
相手のちょっとした行動、言葉ひとつで嬉しくなったり悲しくなったりしたとき、感情の変化を相手のせいにしていないでしょうか。
その感情の「原因」は相手だったとしても、感情自体はあなたの「責任」だということを受け入れてみましょう。
たとえば、仕事が溜まってイライラしているとします。
「ただでさえ忙しいのに、上司はさらに仕事を押し付けて来る」「同僚は誰も助けてくれない」「みんな私のことを便利に使っている」
こんなふうに自分の感情を人のせいにしていると、本当の自分の感情が分からなくなってしまいます。
心の奥では、「私も忙しいことをわかってくれなくて悲しい」とか、「私の状態を理解してくれなくて寂しい」という感情があるはずです。
ちゃんと自分の心と向き合って、自分の心の声を聞いてみましょう。
人の目を気にしていい人になるのではなく、自分の感情に素直に従って行動すると、自分の感情を自分でコントロールできるようになります。
忙しいときには「忙しい」と伝えることで、相手もあなたの状況が理解できます。
結果として、スムーズで心地の良いコミュニケーションを作ることができるでしょう。
4.人に対する欲求の伝え方を考えてみよう
人に悪い印象を与えたくないと、曖昧な表現を使うことはないでしょうか。
特に日本人は、直接明言せずに「察する」ということが美徳と思われがちですが、実はそれが誤解を招いて、不毛な争いになることも多いのです。
特に、男性と女性ではものの捕らえ方が違う場合が多く、「言わなくても分かるでしょ」「見たら分かるだろ」という喧嘩も起きてしまいます。
たとえば、自分が忙しく家事をしているのに、パートナーが何も手伝ってくれなかったとします。
そういうとき、モヤモヤやイライラらをつい溜め込んでしまわないでしょうか。
それとも、あからさまに不満がある表情をしたり、「いいわね、家事をしなくてもいい人は」なんていうイヤミが出てしまうこともあるでしょう。
しかし、自分では「手伝って欲しい」という欲求を抑え込んでいるはずなのに、一気に相手との間に険悪な空気が流れてしまいます。
相手は本当に気がついていないだけかもしれません。
何をしたらいいのか分からないのかもしれません。
自分の感情を抑え込むのではなく、キチンと「こうして欲しい」という欲求を相手に伝えることで、相手が行動しやすくなるうえ、自分の感情も落ち着きます。
非暴力コミュニケーションのまとめ
いかがでしたでしょうか。
非暴力コミュニケーションのやり方を簡単に説明しました。
もちろん、すぐに使いこなすことは無理かもしれませんが、まずは相手や自分の心や状態を観察してみましょう。
そして「今、自分の感情はなんだろう」という自分との対話を常にして、実際に言葉に表現してみましょう。
それだけでも、人とのコミュニケーションが円滑にいくようになります。そして、だんだんと心が満たされていくことになり、過食もおのずと無くなっていくはずです。
自分でおこないのが難しい場合には、専門家やカウンセラーにアドバイスをもらうと良いでしょう。
少しでも過食の衝動が抑えられるようになれば幸いです。
こちらも参考に〉〉摂食障害の対人関係療法で大事な非暴力コミュニケーション
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