【摂食障害】過食を止めるための承認欲求の満たし方
（執筆：YOKO .N 監修：SINBI代表カウンセラー 福山 裕康）
過食がやめられない理由の1つに「承認欲求が満たされていないから」というものがあります。
承認欲求が満たされていないと、食べ物でお腹をいっぱいにして満足感を味わおうとするため、過食がやめられないのです。
つまり、承認欲求を満たすことができれば、過食はおのずと止まるのです。
そこで、今回は「承認欲求」とはなにか、そして過食をストップするための承認欲求の満たし方について解説します。
1．承認欲求とは
承認欲求とは、「他人から認められたい」「自分を価値ある存在と認めたい」という願望や欲求のことで、誰もが持っている感覚です。
この承認欲求には「他者承認」と「自己承認」という2つのレベルが存在します。
「自己承認」が強い人は、他人ではなく「自分で自分を認めたい」という欲求があり、自分の能力を高めたり、自己成長したりすることで自己承認を満足させることが出来ます。
「他者欲求」が強い人は「認められなければならない」「期待を裏切ってはいけない」という感覚に陥りやすい人です。
摂食障害になりやすいのは、「他者欲求」が強い人で、「人からの評価」こそ「自分の価値」と無意識で考えてしまいます。
1-1．承認欲求が高くなるわけ
承認欲求、特に他者欲求が高くなるのは、幼い頃の体験や感覚が大きく影響しています。
たとえば、赤ちゃんはいるだけで存在価値がありますね。
泣けばミルクがもらえ、あやしてもらい、排泄のお世話をしてもらえます。
もう少し大きくなると、自分でさまざまなチャレンジをするようになります。
そういった成功や失敗の体験は、周りの大人が褒められ、よく頑張ったと認めてくれます。
この経験は「頑張れば大人が褒めてくれる、認めてくれる」という感覚が育つようになります。
十分に褒められたり無条件で愛されたりした子供は、「自分でやりたいことをして承認欲求を満たす」自己承認の基礎ができます。
しかし、周りの大人に褒められる体験や、愛情を感じる経験が少なく育った子供は、「自分に非があるから認めてもらえない」という感覚を持ってしまいます。
幼少の頃の「愛されたい」「認められたい」という欲求が満たされないと、大人になってからも際限なく求めてしまうのです。
これが、「人から認められたい」という承認欲求が高い人の理由です。
1-2．承認欲求と過食の関係
承認欲求、特に他者欲求が高い人は心を満たす代わりに、食べ物でお腹を満たす「過食」に陥る傾向が強くなります。
心が満たされるわけではないので、食べては後悔してストレスが溜まり、また過食でごまかすという、負のスパイラルが続くことになります。
2．過食を止めるための承認欲求の満たし方
承認欲求を満たすためには「自分」と「今」に目を向けることが大切です。
上記でご説明したとおり、承認欲求とは「過去」の経験が大きく影響しています。
しかし、「過去」の出来事は変えようがありません。
親の愛情を感じることが出来なかったとしても、その事にこだわったり、これからの人生を支配されたりするのをやめ、「今」を生きるようにします。
つまり、コントロール出来ないことは手放し、自分ができることに集中するのです。
たとえば、これから何かを選ぶとき、「人がどう思うか」ではなく、「自分が選びたいと思うか」で選択します。
特に、学校や会社、時には結婚相手さえ、「親が満足するから」「世間体がいいから」「みんながすごいというから」という理由で選んでいる可能性が高いのです。
人は毎日何かを選択しています。
その都度、親や周りの人の期待に添えるような選択をしているからストレスが溜まりやすいといえるでしょう。
常に、「本当は、私はどうしたいの？」という言葉を問いかけ、自分のために選択をすることを心がけてください。
おのずと他者承認から離れ、過食も手放せるようになるはずです。
まとめ
過食の人に多い、承認欲求について解説しました。
「過去」を手放し、「今」を生きることで過食は良くなっていきます。
とはいえ、過去の出来事がひどいトラウマだったり、今なお辛い想いをしていたりする方もいるでしょう。
そういう方は、自分でなんとかしようとすると、却ってひどくなる可能性もあります。
その場合は、信頼できる過食専門のカウンセラーなどに相談し、「過去」を乗り越えることから始めることをおすすめします。
こちらの記事も参考に＞＞【摂食障害は～すべき～であるべき！の常識から解放されれば・・・】
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